9月のコラム 中学生に勧めたい本
我が家の3人娘(中学3年、1年、小学3年)には、小さいころからずっと、本なら好きなだけ買っていいと伝えています。そのおかげかどうか、3人とも大の読書好きに育っていて嬉しい限り。さて、そんな私は娘たちに本を勧めるとき、自分が彼女たちの年齢のときに読んでいた本を挙げるようにしています。本当に面白かった本ももちろん紹介するのですが、一方で、中学生くらいなら太宰治や芥川龍之介、カミュやカフカなどの名作から、井上靖や大江健三郎などの有名現代作家の「難しい本」もできるだけ勧めます。難しい本は人生の役に立つぞ! なんてことを言いたいわけではなく、「ワケわからん」と思いながら読み進め、わからないまま読み終わった本(いまもわからないまま?)も、たくさんあると説明します。そうすると「それって読む意味あるの?」と聞かれるのですが、内容よりも、世の中には、わけのわからないことや考えがたくさんある、ということを知ることができたと説明します。生きていると、大震災やコロナ、戦争やテロのような大規模なものだけでなく、パワハラや虐待、失恋などなど、数えきれないほどの「わけのわからないこと」に出会います。そんなときに思考停止せず前に進むためにも、わけのわからない本を読み切っておくことが役に立ったりするんです。とはいえ、スマホやゲームなど、楽しいことばかりの彼女たちが、わざわざ、そんな面倒臭いことをやるかといえば、なかなか……。それでも、まだまだ子供。読み切った、という事実をひたすら褒めてあげると、いつの間にか、また次の「わけのわからない本」に挑戦してくれています。そんなこんなで、私が中学生に勧めたい本は、「わけのわからない本」、という、わけのわからないお話でした(笑)。
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