Good News Stand

以前に6年間ほど、編集者と兼業で、リリー・フランキーさんのマネジメントをしていたとき、映画の撮影現場に立ち会う機会がありました。いろんなジャンルの映画の撮影現場に行きましたが、どこでも感じたのは、1つの作品に関わる人数がとにかく多いということ。現場はもちろん、宣伝や配給などの事務方までいれると、ものすごい人数になります。たとえば自動車1台を作るのにも多くの人が関わりますが、それはあくまで量産が目的。映画は基本的に、その1作品で完結。ある意味で刹那的です。そのせいかどうかはわかりませんが、映画の現場には「ハレ」の雰囲気というか、お祭り感があるんです。そして、そのハレの雰囲気が、制作期間を通してあった作品は、結果的に良い仕上がりになっていた気がします。たとえ殺人事件や戦争を扱った映画であっても、低予算で過酷な現場であっても、作っている側に「ハレ」の雰囲気があれば、観る者の胸を打つ成果が出せるのかもしれません。これって、映画に限った話ではなく、どんな仕事にも通じる気がしませんか? 「ハレ」とまではいいませんが、いつでも「楽しむ気持ち」を持って仕事をしていたいな、というお話でした。

最後に、そんな私のおすすめの映画は、タイの「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」という作品。基本的に高校生たちの物語ですが、とにかく彼らの演技力の高さには度肝を抜かれました。あと最近の作品ですと「アメリカンユートピア」。トーキングヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンによるブロードウェイショーをスパイク・リーが映像化したもの。コロナでコンサートや演劇などのライブ体験ができなくなったから、という状況を差し引いても、とにかくグッときます。まさに「ハレ」の極みではないかと。

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